Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?

回答:

「広大な土地の一部だけを国に返したい」あるいは「建物が建っている部分だけを残して、裏の山を国に返したい」というご要望は非常に多いです。しかし、本制度は原則として「一筆(いっぴつ)の土地全体」を対象とするため、一部だけを返したい場合は、あらかじめ土地を分ける「分筆登記」を行う必要があります。

分筆を行う際に最も注意すべきは、「残った土地が法律違反にならないか」という点です。例えば、建物の敷地をギリギリまで削って分筆した結果、残った建物の敷地面積が建築基準法の「建ぺい率」や「容積率」を超えてしまったり、接道義務(道路に2メートル以上接すること)を果たせなくなったりする場合、その後の建替えができなくなるという大きな不利益が生じます。

また、分筆後の「境界」についても厳格です。新しく作った境界線には当然、境界標(杭)を設置しなければなりません。分筆には土地家屋調査士による測量が必要となるため、数十万円単位の費用が発生します。「国に返すための費用」として、分筆費用+負担金+行政書士報酬を合計したときに、それが相談者様にとって許容できる範囲内かどうかを事前にシミュレーションすることが重要です。

さらに、法務局は「不自然な形での分筆」を嫌う傾向があります。管理がしにくいような細長い「あぜ道」のような形や、国が引き取った後にその土地へのアクセスができなくなるような「袋地」を生じさせる分筆は、不承認の理由になり得ます。

当事務所では、提携する土地家屋調査士とともに、「どのように分筆すれば、残した土地の価値を下げず、かつ国に確実に引き取ってもらえるか」という分割案の作成をサポートします。単に分けるだけでなく、将来の土地利用まで見据えた出口戦略をご提案できるのが、専門家に依頼する大きなメリットです。

 


Q&A 目次

Q1. 相続土地国庫帰属制度とはどのような制度ですか?その設立趣旨と社会的意義を含めて教えてください。➤

 

Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。➤

 

Q3. 「建物がある土地は申請できない」とありますが、具体的にどこまでが建物に含まれますか?また、解体時の注意点は?➤

 

Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。➤

 

Q5. 承認された際に支払う「負担金」はどのように計算されますか?具体的なケーススタディを交えて教えてください。➤

 

Q6. 「地目」によって負担金や審査基準はどう変わりますか?登記簿上の地目と現況が異なる場合の注意点も教えてください。➤

 

Q7. 隣地所有者が行方不明、または協力が得られない場合でも申請は通りますか?➤

 

Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?➤

 

Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?➤

 

Q10. 相続した土地が「共有名義」なのですが、一部の共有者が反対している場合や連絡が取れない場合はどうすればいいですか?➤

 

Q11. 申請した土地が「崖地」に該当するかどうかの判断基準を教えてください。➤

 

Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?➤

 

Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?➤

 

Q14. 土地の中に「ゴミ」や「産業廃棄物」が埋まっている可能性がある場合は?➤

 

Q15. 申請から承認までの約半年〜1年間、土地の管理はどうすればいいですか?➤

 

Q16. 承認された後に「負担金」をもし支払わなかったらどうなりますか?期限や納付方法についても教えてください。➤

 

Q17. 申請の手続き中に所有者(申請者)が亡くなってしまった場合、手続きはどうなりますか?➤

 

Q18. 森林の負担金計算における「面積加算」の仕組みと、管理コストの関係について詳しく教えてください。➤

 

Q19. 「遺贈」によって土地を取得した人は、相続人以外でも申請できますか?➤

 

Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?➤

 

Q21. 隣地が「公道」や「水路」などの公有地である場合、境界の考え方はどうなりますか?➤

 

Q22. 申請を途中で取り下げたくなった場合、どのような手続きが必要ですか?また費用は戻りますか?➤

 

Q23. 承認されて国に土地を返した後で、「やっぱり返してほしい」と言えるのでしょうか?➤

 

Q24. 法務局から「土壌汚染調査」を求められるのは、具体的にどのようなケースですか?➤

 

Q25. 土地の中に「祠(ほこら)」や「お墓」がある場合、国に引き取ってもらえますか?➤

 

Q26. 「崖の上」にある土地と「崖の下」にある土地。審査に通りにくいのはどちらですか?➤

 

Q27. 代理人(行政書士)を立てる際、本人確認や意思確認はどう行われますか?➤

 

Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?➤

 

Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?➤

 

Q30. 行政書士に依頼する際の「費用の目安」と「良い事務所の選び方」を教えてください。➤