Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。

回答:

本制度の申請ができるのは、原則として「土地の所有者」ですが、その取得経緯には厳格な制限があります。まず基本となるのは、「相続」または「遺贈(遺言によって財産を譲り受けること)」によって土地を取得した相続人であることです。したがって、ご自身が自ら購入した土地や、他人から生前贈与を受けた土地については、単独でこの制度を利用することはできません。

ここでよく議論になるのが「共有地」の場合です。例えば、Aさんが相続で取得し、Bさんが売買で取得した土地を共有しているケースです。本来、Bさんは「相続人」ではないため申請権がありませんが、制度の使い勝手を考慮し、共有者の中に一人でも「相続や遺贈で取得した人」がいれば、共有者全員が共同して申請することで、国庫帰属が可能となります。この場合、相続人ではないBさんも一緒に申請書に名を連ねる必要があります。

また、法人はこの制度を利用することができません。あくまで個人の相続人を対象とした救済措置としての側面が強いためです。ただし、相続人であれば、相続が発生してから何十年経過していても申請は可能です。「父が亡くなったのは30年前だが、ずっと放置していた」という土地でも、現在のご自身が相続人として登記を済ませれば(あるいは申請と並行して進めれば)、対象となり得ます。

注意点として、相続した土地を「相続人から買い受けた人」や「相続人から贈与を受けた人」も、自身が相続人ではない限り申請はできません。あくまで「相続という偶然のイベントによって望まぬ土地を手にしてしまった人」を助けるための制度であることを理解しておく必要があります。当事務所では、戸籍謄本や登記事項証明書を精査し、相談者様が正当な申請権を持っているか、あるいはどのような手続きを踏めば申請可能になるかを、法務省の最新ガイドラインに照らし合わせて診断いたします。

 


Q&A 目次

Q1. 相続土地国庫帰属制度とはどのような制度ですか?その設立趣旨と社会的意義を含めて教えてください。➤

 

Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。➤

 

Q3. 「建物がある土地は申請できない」とありますが、具体的にどこまでが建物に含まれますか?また、解体時の注意点は?➤

 

Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。➤

 

Q5. 承認された際に支払う「負担金」はどのように計算されますか?具体的なケーススタディを交えて教えてください。➤

 

Q6. 「地目」によって負担金や審査基準はどう変わりますか?登記簿上の地目と現況が異なる場合の注意点も教えてください。➤

 

Q7. 隣地所有者が行方不明、または協力が得られない場合でも申請は通りますか?➤

 

Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?➤

 

Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?➤

 

Q10. 相続した土地が「共有名義」なのですが、一部の共有者が反対している場合や連絡が取れない場合はどうすればいいですか?➤

 

Q11. 申請した土地が「崖地」に該当するかどうかの判断基準を教えてください。➤

 

Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?➤

 

Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?➤

 

Q14. 土地の中に「ゴミ」や「産業廃棄物」が埋まっている可能性がある場合は?➤

 

Q15. 申請から承認までの約半年〜1年間、土地の管理はどうすればいいですか?➤

 

Q16. 承認された後に「負担金」をもし支払わなかったらどうなりますか?期限や納付方法についても教えてください。➤

 

Q17. 申請の手続き中に所有者(申請者)が亡くなってしまった場合、手続きはどうなりますか?➤

 

Q18. 森林の負担金計算における「面積加算」の仕組みと、管理コストの関係について詳しく教えてください。➤

 

Q19. 「遺贈」によって土地を取得した人は、相続人以外でも申請できますか?➤

 

Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?➤

 

Q21. 隣地が「公道」や「水路」などの公有地である場合、境界の考え方はどうなりますか?➤

 

Q22. 申請を途中で取り下げたくなった場合、どのような手続きが必要ですか?また費用は戻りますか?➤

 

Q23. 承認されて国に土地を返した後で、「やっぱり返してほしい」と言えるのでしょうか?➤

 

Q24. 法務局から「土壌汚染調査」を求められるのは、具体的にどのようなケースですか?➤

 

Q25. 土地の中に「祠(ほこら)」や「お墓」がある場合、国に引き取ってもらえますか?➤

 

Q26. 「崖の上」にある土地と「崖の下」にある土地。審査に通りにくいのはどちらですか?➤

 

Q27. 代理人(行政書士)を立てる際、本人確認や意思確認はどう行われますか?➤

 

Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?➤

 

Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?➤

 

Q30. 行政書士に依頼する際の「費用の目安」と「良い事務所の選び方」を教えてください。➤