Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?

回答:

自分の土地であっても、他人の持ち物が入り込んでいる場合は、本制度の利用において慎重な対応が求められます。ガイドラインでは「他人の使用権が設定されている土地」や「通路として使われている土地」は、原則として引き取ることができないとされているからです。

具体的に問題となるケースをいくつか挙げます。まず「電柱」です。これは例外的に、電力会社や電話会社との間で設置に関する契約(承諾)があり、国がその権利を承継できるのであれば、承認される可能性が高いです。電柱があるからといって即座に諦める必要はありません。

次に「他人の水道管やガス管」が埋設されている場合です。これは非常にデリケートな問題です。近隣の家がその土地を経由しなければ生活インフラを確保できないような状態(囲繞地足踏など)にある場合、国がその土地を引き取ると、将来的にインフラの修繕や維持管理で国と近隣住民との間にトラブルが生じるリスクがあります。そのため、他人のインフラが埋まっている土地は不承認となるケースが多いのが実情です。

さらに「不法占拠」の問題もあります。隣の家の物置が少しだけこちらにはみ出している、隣人が勝手に資材置き場として使っている、といったケースです。これらは「他人の占有」がある土地として、原則不承認となります。申請前に、はみ出している物置を撤去してもらうか、あるいはその部分だけを分筆して切り離すなどの対策が必要になります。

また、意外と見落としがちなのが「石積み」や「擁壁」です。これらが隣の土地の所有者の持ち物である場合や、逆に自分の持ち物が隣の土地に越境している場合も、権利関係が複雑であるとして審査に影響します。

当事務所では、現地調査の際に電柱の有無、マンホールの位置、近隣の家の配管状況などを細かくチェックします。もし他人の権利が絡んでいることが判明した場合は、関係各所との調整や、特約の確認、あるいは分筆案の作成など、承認を得るための具体的なスキームを組み立てます。

 


Q&A 目次

Q1. 相続土地国庫帰属制度とはどのような制度ですか?その設立趣旨と社会的意義を含めて教えてください。➤

 

Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。➤

 

Q3. 「建物がある土地は申請できない」とありますが、具体的にどこまでが建物に含まれますか?また、解体時の注意点は?➤

 

Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。➤

 

Q5. 承認された際に支払う「負担金」はどのように計算されますか?具体的なケーススタディを交えて教えてください。➤

 

Q6. 「地目」によって負担金や審査基準はどう変わりますか?登記簿上の地目と現況が異なる場合の注意点も教えてください。➤

 

Q7. 隣地所有者が行方不明、または協力が得られない場合でも申請は通りますか?➤

 

Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?➤

 

Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?➤

 

Q10. 相続した土地が「共有名義」なのですが、一部の共有者が反対している場合や連絡が取れない場合はどうすればいいですか?➤

 

Q11. 申請した土地が「崖地」に該当するかどうかの判断基準を教えてください。➤

 

Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?➤

 

Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?➤

 

Q14. 土地の中に「ゴミ」や「産業廃棄物」が埋まっている可能性がある場合は?➤

 

Q15. 申請から承認までの約半年〜1年間、土地の管理はどうすればいいですか?➤

 

Q16. 承認された後に「負担金」をもし支払わなかったらどうなりますか?期限や納付方法についても教えてください。➤

 

Q17. 申請の手続き中に所有者(申請者)が亡くなってしまった場合、手続きはどうなりますか?➤

 

Q18. 森林の負担金計算における「面積加算」の仕組みと、管理コストの関係について詳しく教えてください。➤

 

Q19. 「遺贈」によって土地を取得した人は、相続人以外でも申請できますか?➤

 

Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?➤

 

Q21. 隣地が「公道」や「水路」などの公有地である場合、境界の考え方はどうなりますか?➤

 

Q22. 申請を途中で取り下げたくなった場合、どのような手続きが必要ですか?また費用は戻りますか?➤

 

Q23. 承認されて国に土地を返した後で、「やっぱり返してほしい」と言えるのでしょうか?➤

 

Q24. 法務局から「土壌汚染調査」を求められるのは、具体的にどのようなケースですか?➤

 

Q25. 土地の中に「祠(ほこら)」や「お墓」がある場合、国に引き取ってもらえますか?➤

 

Q26. 「崖の上」にある土地と「崖の下」にある土地。審査に通りにくいのはどちらですか?➤

 

Q27. 代理人(行政書士)を立てる際、本人確認や意思確認はどう行われますか?➤

 

Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?➤

 

Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?➤

 

Q30. 行政書士に依頼する際の「費用の目安」と「良い事務所の選び方」を教えてください。➤