Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?

回答:

「土地の上に建物がないこと」が条件である以上、物理的に建物を壊すことは当然ですが、それと同じくらい重要なのが、登記簿上の「建物滅失登記(めっしつとうき)」を完了させることです。法務局は書類審査を行う際、必ず土地と建物の登記簿を確認します。

もし、現地では更地になっていても、登記簿上に建物の記録が残っている場合、法務局は「建物が存在する土地」とみなして、申請を却下(あるいは補正指示)する可能性があります。これは、たとえその建物が何十年も前に取り壊されたものであっても、あるいは登記上の所有者が先々代の名義であっても同様です。

滅失登記を忘れたまま申請するリスクは、単なる書類不備にとどまりません。古い建物の登記が残っている場合、その「取り壊しの証明」が必要になります。解体業者からの取り壊し証明書や領収書が残っていればスムーズですが、数十年前に壊した建物の場合は、そうした資料が一切ないことも珍しくありません。その場合、土地家屋調査士による調査や、上申書の作成など、非常に手間と時間のかかる手続きが追加で発生してしまいます。

また、本制度の審査中に法務局から「建物が残っているように見える」と指摘されると、審査が一時中断し、その解消に追われることになります。これでは承認までの期間がさらに延びてしまいます。

当事務所では、土地の申請準備と並行して、必ず建物の登記状況も調査します。もし古い登記が残っている場合は、提携する土地家屋調査士を通じて速やかに滅失登記を行うよう手配します。「現地が更地だから大丈夫」と過信せず、法的な「更地」の状態(=登記も消えている状態)を作り上げてから申請に臨むことが、一発で審査を通すための鉄則です。

 


Q&A 目次

Q1. 相続土地国庫帰属制度とはどのような制度ですか?その設立趣旨と社会的意義を含めて教えてください。➤

 

Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。➤

 

Q3. 「建物がある土地は申請できない」とありますが、具体的にどこまでが建物に含まれますか?また、解体時の注意点は?➤

 

Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。➤

 

Q5. 承認された際に支払う「負担金」はどのように計算されますか?具体的なケーススタディを交えて教えてください。➤

 

Q6. 「地目」によって負担金や審査基準はどう変わりますか?登記簿上の地目と現況が異なる場合の注意点も教えてください。➤

 

Q7. 隣地所有者が行方不明、または協力が得られない場合でも申請は通りますか?➤

 

Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?➤

 

Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?➤

 

Q10. 相続した土地が「共有名義」なのですが、一部の共有者が反対している場合や連絡が取れない場合はどうすればいいですか?➤

 

Q11. 申請した土地が「崖地」に該当するかどうかの判断基準を教えてください。➤

 

Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?➤

 

Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?➤

 

Q14. 土地の中に「ゴミ」や「産業廃棄物」が埋まっている可能性がある場合は?➤

 

Q15. 申請から承認までの約半年〜1年間、土地の管理はどうすればいいですか?➤

 

Q16. 承認された後に「負担金」をもし支払わなかったらどうなりますか?期限や納付方法についても教えてください。➤

 

Q17. 申請の手続き中に所有者(申請者)が亡くなってしまった場合、手続きはどうなりますか?➤

 

Q18. 森林の負担金計算における「面積加算」の仕組みと、管理コストの関係について詳しく教えてください。➤

 

Q19. 「遺贈」によって土地を取得した人は、相続人以外でも申請できますか?➤

 

Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?➤

 

Q21. 隣地が「公道」や「水路」などの公有地である場合、境界の考え方はどうなりますか?➤

 

Q22. 申請を途中で取り下げたくなった場合、どのような手続きが必要ですか?また費用は戻りますか?➤

 

Q23. 承認されて国に土地を返した後で、「やっぱり返してほしい」と言えるのでしょうか?➤

 

Q24. 法務局から「土壌汚染調査」を求められるのは、具体的にどのようなケースですか?➤

 

Q25. 土地の中に「祠(ほこら)」や「お墓」がある場合、国に引き取ってもらえますか?➤

 

Q26. 「崖の上」にある土地と「崖の下」にある土地。審査に通りにくいのはどちらですか?➤

 

Q27. 代理人(行政書士)を立てる際、本人確認や意思確認はどう行われますか?➤

 

Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?➤

 

Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?➤

 

Q30. 行政書士に依頼する際の「費用の目安」と「良い事務所の選び方」を教えてください。➤