Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?

回答:

農地(田・畑)を国に引き取ってもらう場合、一般的な宅地とは異なる特有のハードルが存在します。日本において農地は「農地法」によって厳格に守られており、勝手に売買したり宅地に変えたりすることはできませんが、この「国庫帰属」については、農地法の転用許可や届出は原則として不要とされています。

しかし、実務上の審査においては、農業委員会や周囲の農家との関係が無視できません。国が農地を引き取った後、その土地が管理不全に陥り、隣接する現役の農地に雑草や害虫の被害を及ぼすことを、周囲の農家や農業委員会は非常に懸念します。そのため、法務局は審査の過程で、地元の農業委員会に対して意見聴取を行うことがあります。

ここで不承認になりやすいケースは、その農地が「農振農用地区域(青地)」と呼ばれる、国が将来にわたって農業を推進すべきと定めた優良な農地である場合です。また、土地改良区に属している農地で、毎年の「水利費」や「土地改良区費」の支払いが滞っている場合、それらの債務を解消しない限り、国は引き取りを拒否します。国が引き取った後に、過去の未払い金を税金で補填することはできないからです。

さらに、農地の「負担金」の計算も特殊です。市街化区域にある農地は面積に応じた負担金になりますが、それ以外の一般的な農地は、面積に関わらず一律20万円となる区分が多いです。ただし、将来的に大規模な整備が予定されている区域などでは、算定方法が変わる可能性があります。

当事務所では、農地の所在する市町村の農業委員会へ事前にヒアリングを行い、未払い金の有無や地域の営農状況を確認します。「耕作放棄地」であっても、しっかり除草を行い、隣地に迷惑をかけない状態であることを証明できれば、承認への道は拓けます。農地の処分にお困りの方は、農地特有のルールを熟知した当事務所へぜひご相談ください。

 


Q&A 目次

Q1. 相続土地国庫帰属制度とはどのような制度ですか?その設立趣旨と社会的意義を含めて教えてください。➤

 

Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。➤

 

Q3. 「建物がある土地は申請できない」とありますが、具体的にどこまでが建物に含まれますか?また、解体時の注意点は?➤

 

Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。➤

 

Q5. 承認された際に支払う「負担金」はどのように計算されますか?具体的なケーススタディを交えて教えてください。➤

 

Q6. 「地目」によって負担金や審査基準はどう変わりますか?登記簿上の地目と現況が異なる場合の注意点も教えてください。➤

 

Q7. 隣地所有者が行方不明、または協力が得られない場合でも申請は通りますか?➤

 

Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?➤

 

Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?➤

 

Q10. 相続した土地が「共有名義」なのですが、一部の共有者が反対している場合や連絡が取れない場合はどうすればいいですか?➤

 

Q11. 申請した土地が「崖地」に該当するかどうかの判断基準を教えてください。➤

 

Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?➤

 

Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?➤

 

Q14. 土地の中に「ゴミ」や「産業廃棄物」が埋まっている可能性がある場合は?➤

 

Q15. 申請から承認までの約半年〜1年間、土地の管理はどうすればいいですか?➤

 

Q16. 承認された後に「負担金」をもし支払わなかったらどうなりますか?期限や納付方法についても教えてください。➤

 

Q17. 申請の手続き中に所有者(申請者)が亡くなってしまった場合、手続きはどうなりますか?➤

 

Q18. 森林の負担金計算における「面積加算」の仕組みと、管理コストの関係について詳しく教えてください。➤

 

Q19. 「遺贈」によって土地を取得した人は、相続人以外でも申請できますか?➤

 

Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?➤

 

Q21. 隣地が「公道」や「水路」などの公有地である場合、境界の考え方はどうなりますか?➤

 

Q22. 申請を途中で取り下げたくなった場合、どのような手続きが必要ですか?また費用は戻りますか?➤

 

Q23. 承認されて国に土地を返した後で、「やっぱり返してほしい」と言えるのでしょうか?➤

 

Q24. 法務局から「土壌汚染調査」を求められるのは、具体的にどのようなケースですか?➤

 

Q25. 土地の中に「祠(ほこら)」や「お墓」がある場合、国に引き取ってもらえますか?➤

 

Q26. 「崖の上」にある土地と「崖の下」にある土地。審査に通りにくいのはどちらですか?➤

 

Q27. 代理人(行政書士)を立てる際、本人確認や意思確認はどう行われますか?➤

 

Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?➤

 

Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?➤

 

Q30. 行政書士に依頼する際の「費用の目安」と「良い事務所の選び方」を教えてください。➤