Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?

回答:

「この土地は価値が低くて固定資産税がかかっていないから、国に返す際も無料(または安く)なるのではないか」というご質問をいただくことがありますが、残念ながら答えは「NO」です。 固定資産税が非課税であることと、国庫帰属の負担金は、全く別の論理で計算されます。

固定資産税が非課税(免税点以下)なのは、その土地の「評価額」が極めて低いためです。しかし、国庫帰属制度の負担金は、土地の価値に対して支払うものではなく、国がその後「10年間管理するためにかかるコスト(人件費、巡回費、苦情対応費など)」を負担するものです。価値がない土地であればあるほど、国にとっては「管理の手間だけがかかる場所」となるため、最低でも基本額の20万円(1筆あたり)は必ず徴収されます。

むしろ、固定資産税がかからないような山林や原野こそ、国から見れば「管理が大変な場所」とみなされることが多いです。ただし、負担金の計算区分において、市街地以外の農地や森林などは、面積が小さければ一律20万円で済むため、評価額が高い宅地に比べれば、相対的に負担は軽くなる傾向にはあります。

ここで一つ、制度利用の「損得」について冷静に考える必要があります。

  • 持ち続けた場合: 固定資産税は0円でも、草刈り代や近隣への責任、将来の相続登記の義務化対応などで、数十年のスパンで見れば20万円以上のコストがかかる可能性が高い。

  • 国に返した場合: 今ここで20万円(+諸費用)を払えば、永久にそれらの悩みから解放される。

行政書士としては、現在の税金負担だけでなく、「将来の管理リスク」という目に見えないコストを可視化してお伝えします。たとえ今は非課税でも、次世代にその土地を引き継がせることが本当に幸せなのか、という視点で検討することが重要です。

 


Q&A 目次

Q1. 相続土地国庫帰属制度とはどのような制度ですか?その設立趣旨と社会的意義を含めて教えてください。➤

 

Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。➤

 

Q3. 「建物がある土地は申請できない」とありますが、具体的にどこまでが建物に含まれますか?また、解体時の注意点は?➤

 

Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。➤

 

Q5. 承認された際に支払う「負担金」はどのように計算されますか?具体的なケーススタディを交えて教えてください。➤

 

Q6. 「地目」によって負担金や審査基準はどう変わりますか?登記簿上の地目と現況が異なる場合の注意点も教えてください。➤

 

Q7. 隣地所有者が行方不明、または協力が得られない場合でも申請は通りますか?➤

 

Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?➤

 

Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?➤

 

Q10. 相続した土地が「共有名義」なのですが、一部の共有者が反対している場合や連絡が取れない場合はどうすればいいですか?➤

 

Q11. 申請した土地が「崖地」に該当するかどうかの判断基準を教えてください。➤

 

Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?➤

 

Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?➤

 

Q14. 土地の中に「ゴミ」や「産業廃棄物」が埋まっている可能性がある場合は?➤

 

Q15. 申請から承認までの約半年〜1年間、土地の管理はどうすればいいですか?➤

 

Q16. 承認された後に「負担金」をもし支払わなかったらどうなりますか?期限や納付方法についても教えてください。➤

 

Q17. 申請の手続き中に所有者(申請者)が亡くなってしまった場合、手続きはどうなりますか?➤

 

Q18. 森林の負担金計算における「面積加算」の仕組みと、管理コストの関係について詳しく教えてください。➤

 

Q19. 「遺贈」によって土地を取得した人は、相続人以外でも申請できますか?➤

 

Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?➤

 

Q21. 隣地が「公道」や「水路」などの公有地である場合、境界の考え方はどうなりますか?➤

 

Q22. 申請を途中で取り下げたくなった場合、どのような手続きが必要ですか?また費用は戻りますか?➤

 

Q23. 承認されて国に土地を返した後で、「やっぱり返してほしい」と言えるのでしょうか?➤

 

Q24. 法務局から「土壌汚染調査」を求められるのは、具体的にどのようなケースですか?➤

 

Q25. 土地の中に「祠(ほこら)」や「お墓」がある場合、国に引き取ってもらえますか?➤

 

Q26. 「崖の上」にある土地と「崖の下」にある土地。審査に通りにくいのはどちらですか?➤

 

Q27. 代理人(行政書士)を立てる際、本人確認や意思確認はどう行われますか?➤

 

Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?➤

 

Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?➤

 

Q30. 行政書士に依頼する際の「費用の目安」と「良い事務所の選び方」を教えてください。➤