Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?

回答:

「いらない土地を手放す」という目的では共通していますが、相続放棄と本制度は、全く異なる仕組みです。どちらが良いかは、土地以外の財産(現預金や自宅など)がどれくらいあるかによって決まります。

  1. 相続放棄(全放棄): 相続放棄は、土地だけでなく「すべての財産」を放棄する手続きです。現預金や株、価値のある自宅などもすべて手放さなければなりません。また、自分が放棄すると次の順位の親族(兄弟など)に引き継がれてしまうため、親族間での調整も大変です。

    • メリット: 手続き費用が安い(数千円の印紙代等)。

    • デメリット: 良い財産も一切もらえない。管理責任が完全に消えるわけではない(次に引き継ぐ人が決まるまで管理継続義務がある)。

  2. 相続土地国庫帰属制度(個別選択): 「現金や自宅は相続するけれど、いらない山林だけを国に返す」という、いわば「いいとこ取り」ができる制度です。

    • メリット: 必要な財産は守りつつ、不要な土地だけをピンポイントで処分できる。国が引き取るため、後腐れがない。

    • デメリット: 負担金や行政書士報酬、測量費などのコストがかかる。審査が厳しい。

結論として、**「土地以外に相続したい財産があるなら、国庫帰属制度一択」**です。逆に、遺産が借金ばかりであったり、土地以外に価値のあるものが何もないのであれば、相続放棄を検討すべきでしょう。

当事務所では、単に土地の手続きをするだけでなく、相続全体のバランスを見た「遺産整理」のアドバイスも行います。「相続放棄の期限(3ヶ月)」が迫っている場合は特にスピードが求められます。どちらの道が相談者様のご家族にとって最も利益になるか、シミュレーションを行いながら最適なプランをご提示します。

 


Q&A 目次

Q1. 相続土地国庫帰属制度とはどのような制度ですか?その設立趣旨と社会的意義を含めて教えてください。➤

 

Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。➤

 

Q3. 「建物がある土地は申請できない」とありますが、具体的にどこまでが建物に含まれますか?また、解体時の注意点は?➤

 

Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。➤

 

Q5. 承認された際に支払う「負担金」はどのように計算されますか?具体的なケーススタディを交えて教えてください。➤

 

Q6. 「地目」によって負担金や審査基準はどう変わりますか?登記簿上の地目と現況が異なる場合の注意点も教えてください。➤

 

Q7. 隣地所有者が行方不明、または協力が得られない場合でも申請は通りますか?➤

 

Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?➤

 

Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?➤

 

Q10. 相続した土地が「共有名義」なのですが、一部の共有者が反対している場合や連絡が取れない場合はどうすればいいですか?➤

 

Q11. 申請した土地が「崖地」に該当するかどうかの判断基準を教えてください。➤

 

Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?➤

 

Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?➤

 

Q14. 土地の中に「ゴミ」や「産業廃棄物」が埋まっている可能性がある場合は?➤

 

Q15. 申請から承認までの約半年〜1年間、土地の管理はどうすればいいですか?➤

 

Q16. 承認された後に「負担金」をもし支払わなかったらどうなりますか?期限や納付方法についても教えてください。➤

 

Q17. 申請の手続き中に所有者(申請者)が亡くなってしまった場合、手続きはどうなりますか?➤

 

Q18. 森林の負担金計算における「面積加算」の仕組みと、管理コストの関係について詳しく教えてください。➤

 

Q19. 「遺贈」によって土地を取得した人は、相続人以外でも申請できますか?➤

 

Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?➤

 

Q21. 隣地が「公道」や「水路」などの公有地である場合、境界の考え方はどうなりますか?➤

 

Q22. 申請を途中で取り下げたくなった場合、どのような手続きが必要ですか?また費用は戻りますか?➤

 

Q23. 承認されて国に土地を返した後で、「やっぱり返してほしい」と言えるのでしょうか?➤

 

Q24. 法務局から「土壌汚染調査」を求められるのは、具体的にどのようなケースですか?➤

 

Q25. 土地の中に「祠(ほこら)」や「お墓」がある場合、国に引き取ってもらえますか?➤

 

Q26. 「崖の上」にある土地と「崖の下」にある土地。審査に通りにくいのはどちらですか?➤

 

Q27. 代理人(行政書士)を立てる際、本人確認や意思確認はどう行われますか?➤

 

Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?➤

 

Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?➤

 

Q30. 行政書士に依頼する際の「費用の目安」と「良い事務所の選び方」を教えてください。➤