Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。

回答:

土地の境界が確定していないことは、本制度において大きなハードルとなります。法的な原則としては「境界が明らかでない土地」や「所有権の範囲について争いがある土地」は申請できません。国が引き取った後に隣人と境界争いが発生することを防ぐためです。

これまでの実務では、全ての境界に「境界標(杭)」が設置され、土地家屋調査士による確定測量図が必要だと思われてきました。しかし、山林や広大な農地において、全ての境界を確定させるには多額の費用(数十万〜数百万円)がかかり、制度の利用を断念するケースが相次ぎました。これを受けて、法務省のガイドライン第2版では、境界の判断基準が一部柔軟化されました。

具体的には、必ずしも全ての箇所に物理的な杭がなくても、「隣地所有者との間で境界の認識が一致していること」が書面や状況から客観的に認められれば、承認される可能性が開かれました。例えば、古い石積みが境界であると双方が認めている場合や、法務局に備え付けられた地図(公図)や地積測量図と現況が概ね一致しており、隣地から異論が出ていない場合などです。

ただし、注意が必要なのは「隣人と連絡が取れない」場合や「隣人が立ち会いを拒否している」場合です。これらは「境界に争いがある」とみなされる可能性が高く、依然として高いハードルとなります。また、現地調査において法務局の担当者が「どこからどこまでが国が管理すべき範囲か判別できない」と判断すれば、やはり不承認となります。

行政書士としてのサポートでは、まず既存の資料(公図、測量図、過去の売買契約書など)を徹底的に調査します。その上で、現地で境界の目安を確認し、必要であれば隣地所有者への説明や協力依頼のアドバイスを行います。大規模な測量が必要なケースでは提携する土地家屋調査士をご紹介しますが、まずは「今の状態で通る可能性があるか」を最新のガイドラインに照らして判断することが、費用を抑えるための鍵となります。

 


Q&A 目次

Q1. 相続土地国庫帰属制度とはどのような制度ですか?その設立趣旨と社会的意義を含めて教えてください。➤

 

Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。➤

 

Q3. 「建物がある土地は申請できない」とありますが、具体的にどこまでが建物に含まれますか?また、解体時の注意点は?➤

 

Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。➤

 

Q5. 承認された際に支払う「負担金」はどのように計算されますか?具体的なケーススタディを交えて教えてください。➤

 

Q6. 「地目」によって負担金や審査基準はどう変わりますか?登記簿上の地目と現況が異なる場合の注意点も教えてください。➤

 

Q7. 隣地所有者が行方不明、または協力が得られない場合でも申請は通りますか?➤

 

Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?➤

 

Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?➤

 

Q10. 相続した土地が「共有名義」なのですが、一部の共有者が反対している場合や連絡が取れない場合はどうすればいいですか?➤

 

Q11. 申請した土地が「崖地」に該当するかどうかの判断基準を教えてください。➤

 

Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?➤

 

Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?➤

 

Q14. 土地の中に「ゴミ」や「産業廃棄物」が埋まっている可能性がある場合は?➤

 

Q15. 申請から承認までの約半年〜1年間、土地の管理はどうすればいいですか?➤

 

Q16. 承認された後に「負担金」をもし支払わなかったらどうなりますか?期限や納付方法についても教えてください。➤

 

Q17. 申請の手続き中に所有者(申請者)が亡くなってしまった場合、手続きはどうなりますか?➤

 

Q18. 森林の負担金計算における「面積加算」の仕組みと、管理コストの関係について詳しく教えてください。➤

 

Q19. 「遺贈」によって土地を取得した人は、相続人以外でも申請できますか?➤

 

Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?➤

 

Q21. 隣地が「公道」や「水路」などの公有地である場合、境界の考え方はどうなりますか?➤

 

Q22. 申請を途中で取り下げたくなった場合、どのような手続きが必要ですか?また費用は戻りますか?➤

 

Q23. 承認されて国に土地を返した後で、「やっぱり返してほしい」と言えるのでしょうか?➤

 

Q24. 法務局から「土壌汚染調査」を求められるのは、具体的にどのようなケースですか?➤

 

Q25. 土地の中に「祠(ほこら)」や「お墓」がある場合、国に引き取ってもらえますか?➤

 

Q26. 「崖の上」にある土地と「崖の下」にある土地。審査に通りにくいのはどちらですか?➤

 

Q27. 代理人(行政書士)を立てる際、本人確認や意思確認はどう行われますか?➤

 

Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?➤

 

Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?➤

 

Q30. 行政書士に依頼する際の「費用の目安」と「良い事務所の選び方」を教えてください。➤