Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?

回答:

相続土地国庫帰属制度の申請には、決して安くないコストがかかります。万が一「不承認」という結果になった場合、それまでにかかった費用がどうなるのかは、相談者様にとって最大の懸念事項でしょう。

まず、国に納めた「審査手数料(1筆14,000円)」についてですが、これは一切返還されません。 審査手数料は「審査という行政サービス」に対して支払われるものであるため、結果が承認であっても不承認であっても、あるいは途中で申請を取り下げたとしても、戻ってくることはありません。また、行政書士に支払った報酬についても、多くの事務所では「着手金」としての性格を持つ部分は返還されないのが一般的です。

次に、不承認となった後の「再申請」についてですが、これは可能です。 ただし、単に同じ内容でもう一度申請しても結果は変わりません。不承認となった「理由」を完全に解消する必要があります。例えば、「建物があったため不承認」となったのであれば建物を解体した後に、「境界不明のため不承認」となったのであれば測量を行って境界を確定させた後に、改めて申請を行うことになります。

ここで重要になるのが、最初の申請時にいかに「不承認のリスク」を減らしておくかです。法務局の現地調査が行われ、不承認の通知が届くまでには半年から1年という長い月日がかかります。この時間を無駄にしないためには、申請前の「事前相談」を徹底することが不可欠です。法務局の担当官とあらかじめ図面や写真を共有し、「この状態であれば受理可能か」という感触を掴んでおくことで、無駄な審査手数料の支払いを防ぐことができます。

当事務所では、明らかに不承認になる可能性が高い土地については、正直にお伝えします。無理に申請を勧めることはせず、まずは「不承認事由をどう解消するか」というコンサルティングから始めます。もし再申請を目指す場合は、前回の不承認理由を分析し、法務局が納得する補強資料や現地の改善策を立案します。失敗のリスクを最小限に抑え、確実な着地を目指すのが専門家としての役割です。

 


Q&A 目次

Q1. 相続土地国庫帰属制度とはどのような制度ですか?その設立趣旨と社会的意義を含めて教えてください。➤

 

Q2. 制度を利用できる「申請権者」にはどのような制限がありますか?共有地や生前贈与の場合についても詳しく解説してください。➤

 

Q3. 「建物がある土地は申請できない」とありますが、具体的にどこまでが建物に含まれますか?また、解体時の注意点は?➤

 

Q4. 境界が不明確な土地でも申請は可能ですか?ガイドライン第2版で緩和された内容を含めて教えてください。➤

 

Q5. 承認された際に支払う「負担金」はどのように計算されますか?具体的なケーススタディを交えて教えてください。➤

 

Q6. 「地目」によって負担金や審査基準はどう変わりますか?登記簿上の地目と現況が異なる場合の注意点も教えてください。➤

 

Q7. 隣地所有者が行方不明、または協力が得られない場合でも申請は通りますか?➤

 

Q8. 土地の中に「他人の工作物」や「電柱」「水道管」がある場合はどうなりますか?➤

 

Q9. 申請後に「不承認」となった場合、支払った費用はどうなりますか?再申請は可能ですか?➤

 

Q10. 相続した土地が「共有名義」なのですが、一部の共有者が反対している場合や連絡が取れない場合はどうすればいいですか?➤

 

Q11. 申請した土地が「崖地」に該当するかどうかの判断基準を教えてください。➤

 

Q12. 土地を国に返すために「分筆(ぶんぴつ)」を行う際の注意点は何ですか?➤

 

Q13. 「農地」を国庫帰属させる場合、農業委員会などの手続きは別途必要ですか?➤

 

Q14. 土地の中に「ゴミ」や「産業廃棄物」が埋まっている可能性がある場合は?➤

 

Q15. 申請から承認までの約半年〜1年間、土地の管理はどうすればいいですか?➤

 

Q16. 承認された後に「負担金」をもし支払わなかったらどうなりますか?期限や納付方法についても教えてください。➤

 

Q17. 申請の手続き中に所有者(申請者)が亡くなってしまった場合、手続きはどうなりますか?➤

 

Q18. 森林の負担金計算における「面積加算」の仕組みと、管理コストの関係について詳しく教えてください。➤

 

Q19. 「遺贈」によって土地を取得した人は、相続人以外でも申請できますか?➤

 

Q20. 建物解体時に「建物滅失登記」を忘れたまま申請するとどうなりますか?➤

 

Q21. 隣地が「公道」や「水路」などの公有地である場合、境界の考え方はどうなりますか?➤

 

Q22. 申請を途中で取り下げたくなった場合、どのような手続きが必要ですか?また費用は戻りますか?➤

 

Q23. 承認されて国に土地を返した後で、「やっぱり返してほしい」と言えるのでしょうか?➤

 

Q24. 法務局から「土壌汚染調査」を求められるのは、具体的にどのようなケースですか?➤

 

Q25. 土地の中に「祠(ほこら)」や「お墓」がある場合、国に引き取ってもらえますか?➤

 

Q26. 「崖の上」にある土地と「崖の下」にある土地。審査に通りにくいのはどちらですか?➤

 

Q27. 代理人(行政書士)を立てる際、本人確認や意思確認はどう行われますか?➤

 

Q28. 固定資産税が「非課税」の土地でも、国に返す際に負担金はかかりますか?➤

 

Q29. 「相続放棄」と「相続土地国庫帰属制度」、どちらがお得ですか?➤

 

Q30. 行政書士に依頼する際の「費用の目安」と「良い事務所の選び方」を教えてください。➤